こどもをもつがん患者でつながろう

ハムだぁ!

滋賀県 / 肺がん / ステージ4

2018-03-02 15:28:17

とあるクリニックにて

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日記

本でベニクスノキタケという

きのこの成分と同じアントロキノノールという
何やら抗癌作用があるというサプリメントを知りました。



その本の中では、海外での試験結果もあるとか
その結果、効果はこうだと書かれていた。



「おぉ何やら効果がありそうだぞ うむうむ」


と告知を受けて、それほど経ってない私にとっては
魅力的な女性が突如私の前に現れたことが如く
飛びつきそうになってしまった。


「待って待って、そんなオイシイ話

飛びついていいのかしら?」


と悪魔の声と共に天使の声が聞こえてきたので
私は、手を出すにも本だけの情報で判断していいものやら…
と思い
その著者のクリニックに電話をし
直接相談をしてみることにした。



今日はそこで私が感じたこと

起きたことを書きたいと思います。


アガリスク、フコイダン、ブロコリ…

何やら癌に効くぞ!


魅力的なアピールをしてくるサプリメントは

世の中にいっぱいあります。



効くと思えば効くかもしれないし
効かないと思っても効くかもしれない。


その効果は、正直私には分からない。



“やれるだけのことはやる”の精神でいくと
やればよいのだが、全部飲むのも大変だ



その手のものはもちろんお金もかかるし、
お金を考えずに全て飲んだとしても
「私にいったい何が効いてるんだ」
とか考えてしまう部分もあったり
正直何錠もの膨大なサプリを飲むのも大変だ




さて、そのクリニックの話



東京にあり、私はいろいろ専門医の意見を聞きに
病院を周っている間の時間を見つけてそこに向かった。


雑居ビルのエレベーターに乗り

4階だか5階だかに降りる

何やらクリニックらしからぬ
いや知り合いの家とでも言うべきドアがお出迎え


ムムム





勇気を持って、ピンポーン



ベルを押す





どうぞぉと言う声と共に

その一室のドアを開けた


中に入ると
ドンッとそのクリニックの先生の大きな机
そしてその横にはベンチ



受付などない



熟年の看護師と50代ぐらいと推測される

ファンキーな格好をした先生 2人体制のようだ



白衣からちらりと見える赤と白の

ナミナミストライプのベルト!


ズボンも赤で実にイカしている

(別に褒めているわけではない)



ファンキー先生と呼ぼう



私は一目見て勝手にあだ名をつけてしまった
(人は見た目や格好では分からない

違和感あるけど気にするな俺と言い聞かせる)


雑然とした本棚に並ぶがんに関わる本の数々


私の趣味ではない、西洋絵画の入った額縁の数々


その両隣には、診察ベッドのある処置室兼相談室


もう片方には機器が並んだ部屋が存在。



私が話をしに行った時は
先におじいちゃんおばあちゃん夫婦が受診をしていた。



私はファンキー先生の隣のベンチに座り

並んだ本の中からおもむろに一冊を取り
本を読みながら待つことにした。



いや、実際には本は読んでるふりで
耳に神経を集中させ、その部屋の隣で行われる
やりとりの一部始終を聞いていた。



やりとりは短く伝えるとこんな感じだ



おじいちゃん患者

「先生、一発お願いします」
ファンキー先生

「今日は、退院した後すぐだからやめておきましょう。」


(この一発やるというのは、私が後ほど紹介される

コロイドヨードというヨードを水素と結合させた液体を

扱った治療のことだと推測される。)





おじいちゃん患者

「そうですか、じゃあ他に何が出来ますか?」

ファンキー先生

「じゃあ、これなんかどうです ゴニョゴニョ」

おじいちゃん患者

「それでいきましょう」


ということで、ゴニョゴニョと話のやり取りが行われ
処置室兼相談室から出てきて
私の前を通り
機器が並んだ部屋へ移動していった。



ちなみに部屋はドアが閉められておらず
ツウツウなので、だいたいの声は

聞こえてくるわけなんです。



さて、機器が並んだ部屋では

その間もやりとりが行われていた
(中の様子までは見えない、あくまで声だけ聞いてます。)



看護師

「じゃあ、奥さんこっちを持ってください」
付き添いのおばあちゃん

「あ、はい」
看護師

「このあたりにお願いします」

おじいちゃん患者

「あちちちちちぃ」
何やら熱い様子だ


看護師

「先生 先生ぇ」それほど焦ってはいない

 私の隣に座っている先生を呼び寄せる


看護師

「どうも熱いみたいでして…」
ファンキー先生

「熱いと言うことは効いている証拠です」
おじいちゃん患者

「は はい」

ファンキー先生

「もう少しずらしてみてあててみたらどうですか?

 それほど熱くないでしょ?」
おじいちゃん患者

「は はい」



時間を少しおいて


おじいちゃん患者

「あちちちぃ 先生熱いッ」
ファンキー先生

「効いているの分かりますか?」
おじいちゃん患者

「は はぁ」

まぁそんな感じのやりとりを聞いていた。



何とも私には面白くて、何かと聞き逃せない

なぜか、付き添いのおばあちゃんまでが手伝っているのやら
熱いと訴えるおじいちゃんの声やら
そのやりとり


そうこうしている内に私が呼ばれ
処置室兼相談室へ

そこには、半開きの医療ごみ箱や

雑然と並んだ医療関係のパッケージ
何やら梱包材のごみが入ったゴミ袋がボンと置かれていたり
処置用ベッドに置かれたホワイトボードなど
私にとっては、初めて見る医療の現場だ


カオスだっ


そして、怪しい 怪しすぎるぞ



私はさらに思った。



そらそうである、入る前から怪しいと思っていた。


いや、ホームページみても
扱ってる機器も旧式のものが多い。



私は疑って見ているから 尚更だろう。



でも、ここに来ている患者さんは

ここで治そうと信じて来ている。


だからそれを否定している訳ではない

むしろ治るかもしれない…


これはあくまで私の見方であり

感じたことなのでご理解いただきたい。




さて、話は私とファンキー先生との話し合いだ


一通りの私の医療情報や内容の話をして
病状を伝えた

そして、私からは気になっている
アントロキノノールについて質問を行った



そのアントロキノノールの著書
ファンキー先生からは意外な答えが返ってきた



「アントロキノノールも良いけど
 コロイドヨードが良いよ」
ということ



「えっ?」
である



アントノキノノールの内容は本で書いているし
読んでもらっているみたいだから
説明するまでもないでしょうとのこと…



まぁ、もはやアントロキノノールという
口に出しても言いにくいサプリよりも
コロイドさんが良いと言うのだから
とりあえず話は聞いてみてみよう

(このあたりから私は、もはやこれはネタだ
なかなか人が体験しえないネタだ
と思って話半分に聞いている状況となる)


そこからコロイドヨードについてホワイトボードも使って
図解しながら話が進む



ふむふむ 何だか良いようにも聞こえてしまう


恐ろしいものだ



もしかして本当に効く液体なのかもしれない
それは分からない



でも、私はこれまで
そこで起きていること、聞いていることから
「よっしゃ 一発やりますか」とは思えなかった。



一通りの話が終え
「治療を行なうも行わないも貴方次第ですので
 よく考えて判断ください」


そこまでグイグイと推してくるわけでもなく
受診を終えた。



どうこの状況を回避しようかとも途中から考えていたので
そこは助かった。



私も「今日聞いたことふまえて

また治療をお願いすることになれば
連絡いれるようにします」

とだけ伝えて
ファンキー先生ルームをあとにした…


まさかの展開である



アントロキノノールではなく
コロイドヨードを勧められるとは…


かくして私は
アントノキノノールは手にせず
コロイロヨード療法も行っていない。


帰ってファンキー先生の本をパラパラと読み返した



前半に書いていることは
がんに関係する本を読んでいる人は知っていると思うが
ケリー・ターナー氏の本の内容であり
(もちろん本の最初にその本のことについてふれている)



その内容が、がん患者にとっては
非常に共感を覚える内容だけに
前半それを読むと なるほどと思うのだ。



それをふまえてアントロキノノールの話になっているから
脳は何だかこれ良さそうと思うわけだ。



また、試験結果などのデータもよく見ると
N数が圧倒的に少ないと言うこと



いろいろ私にとっては疑問点が

残る本だったということが分かった。


オレオレ詐欺ではなく
効く効く詐欺なんじゃないか
とまで思った。



私はそんな風に感じ取ってしまったのだ
(気を悪くされる方がいたら謝ります。
あくまで個人的な体験による、感想だと思ってください)


だから、私は代替療法も全てを信じるわけでもなく
試せるものは試すが
何でもかんでもやるのではなく
信頼のおける情報を得た上で
自分が納得して行うことが大切なんだと思った

そんなこんなでした。


がんを患うことで体験することって
今まで体験し得なかった

こんな世界もあるんだなぁと思った。



別に面白がってやってるわけではない
至って真剣なのである。



ただ、その想いとは裏腹に
こんな奇妙なこともあるということを
知っておいてもらえたらと思う。


ファンキー先生 ありがとう


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