こどもをもつがん患者でつながろう

ナムさん(次男)

千葉県 / 膵臓がん / ステージ4

2022-02-26 18:00:22

ナムさんの息子からCPの皆さまへ

CP会員以外も閲覧可能

日記

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これから書くことは明るい内容だけではないので、
その点ご了承いただけますと幸いです?‍♂️

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はじめまして、ナムさんの息子(次男)です。

今日の日記では母から預かっているメッセージを、CPのみなさまにお届けしたいと思います。


はじめにお伝えしますと、母は昨年の12月6日に最期を迎えました。それから4ヶ月経った今日、2022年4月6日、「もう4ヶ月も時間が経つのかぁ〜」と思いながら、母が残してくれたものの温かさを、じんわりと感じています。


            ***


母は昨年の11月24日から入院することになり、11月30日からがん研有明の緩和ケア病棟に移りました。緩和ケア病棟で最期を迎えるまでの間はとても穏やかで、あんまり苦しむこともなく過ごせていたなぁと思います。


なので、家族もお見舞いに行った時には、母とたくさんの話をゆったりとすることができましたし、焦ったりすることなく一緒に同じ時間を過ごすことができました。


            ***


緩和ケア病棟に移ってから、母はだんだんとぼんやりしていくようになり、眠っている時間も少しずつ多くなっていきました。

そんな中で僕は母とこんな会話をしました。
母が亡くなる5日前のことです。

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僕:CPのみなさんに何か伝えたいメッセージはある?
母:うん、ある。これから話すことを皆んなに伝えて。
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それから母はベッドの上でゆっくりと、ときどき涙を流しながら、自分の心にある想いをポツリポツリと話し始めました。

僕は母の言葉をスマホで録音しながら必死にメモしていました。


僕はその録音をなかなか聴けず、メモも見れずにいましたが、時間が経って改めてゆっくりと見返しながら文字にまとめることができました。

以下に、母がCPのみなさまに向けて話したことを、ほとんどそのままお伝えしたいと思います。


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〜CPのみんなへ〜

今伝えたいことは
「感謝と ありがとうと 今わたしは幸せです」

っていうことです


これはCPのみんなにも、
家族にも伝えたかったから、今話せて良かった

本当は自分でCPの日記に残したかったけど、
それは出来ないので今次男に頼んでいます


入院する前にネットで調べていたら、
ヨーロッパの人たちは12月24日のクリスマスに向けて、
12月1日から順番にお菓子を1個ずつ食べたりする
ということを知りました

(アドベントカレンダーというみたいです)


ただ、私はクリスマスっていうより、
自分が年を越せるように、2022年を迎えられるように、
元旦を起点にして、目標にして楽しもう!と思って、
このお菓子ボックスを買ってみたりもしていました


今はこうして入院することになってしまったから、
それを楽しむことができなくて残念です

だけど、それよりもわたしは
今とても安心しているので、怖くはないです


理由としては、
もう家族みんな大丈夫だ!って思えているし、
CPのみんなに出会えたからです

CPのみんながいてくれたことが、
やっぱりとても大きかった


ガンになってしまって苦しいことはいっぱいあって、
よかったわけではないんだけど、
本当に幸せだったなぁって思ってるよ

だから、私は「がんばって」って、
みんなに言いたいわけじゃないんだけど、
そいうふうに思えることもあるんだなって、
思ってもらえれば嬉しいです


わたしはなんでこうやって思えたのかというと、
1番は息子たち3人を見ていて本当に安心していられるから

おこがましいけど、それをずっと心配してた


成長できるのかな、やっていけるのかな、
頑張れているのかな、嫌々じゃないのかなって

自分達の道を楽しく進んでって欲しいと思っているから

でもそれの不安も今はないし、見ていてなんだか嬉しいし
そういうふうに変わってくれた子供たちに感謝したい


もうひとつは、家族みんなのこれほどまでの愛情を
ちゃんと受け取ることができて良かったなって

それは、ガンにならなかったら分からなかった


CPのみんなにも、
ガンになってなかったら出会えなかった

話もできなかった

zoomとかでお話したりできたり、
日記もメッセージも自由にやりとりできて、
心の支えが全国にいたから、とっても頼もしかったです


みんな、本当にありがとう


2021年12月1日 ナムさんより

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この5日後、母は自分の還暦の誕生日である12月6日の夜に亡くなりました。

12月6日のお昼すぎ、緩和ケア病棟の病室で僕がウクレレを弾きながら家族や看護師さんとハッピーバースデーを歌ったり、母が「やったぁ、還暦だぁ」と言っているような晴れやかな表情を浮かべていたりしたこと。そのすべての情景が今でも心に残っています。


もちろん、お別れはとても悲しいですし、今でも涙が出てくることはありますが、それ以上に母の幸せそうな表情を見れたことや、最期に向けて一緒にゆっくりと過ごせたことが、家族みんなの宝物になりました。


            ***


長い文章になってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!

こうして皆さんにお伝えすることができて、本当によかったです。


母は、「CPの○○さんがこんなメッセージをくれたんだ!」とか、「今度○○さん達とzoomでお話しできるのが楽しみだなぁ〜」とか、本当に何度も何度もCPの話をしていました。

それほど母にとって「キャンサーペアレンツ」という場所が、とても大きな心の支えになっていたんです。


このような素敵な場所を作ってくださった、ぐっちさん、運営の皆さま、本当にありがとうございます。おかげさまで母は全国にいるたくさんの仲間に支えていただきながら、心に大切なものを仕舞って、幸せに人生を終えることができました。


改めて、心から感謝をお伝えします。
みなさま、本当にありがとうございました!


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